Rubyとは¶ ↑
Rubyはシンプルかつ強力なオブジェクト指向スクリプト言語です. Rubyは純粋なオブジェクト指向言語として設計されているので,オブジェクト指向プログラミングを手軽に行う事が出来ます.もちろん普通の手続き型のプログラミングも可能です.
Rubyはテキスト処理関係の能力などに優れ,Perlと同じくらい強力です.さらにシンプルな文法と,例外処理やイテレータなどの機構によって,より分かりやすいプログラミングが出来ます.
Rubyの特長¶ ↑
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シンプルな文法 
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普通のオブジェクト指向機能(クラス,メソッドコールなど) 
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特殊なオブジェクト指向機能(Mixin,特異メソッドなど) 
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演算子オーバーロード 
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例外処理機能 
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イテレータとクロージャ 
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ガーベージコレクタ 
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ダイナミックローディング (アーキテクチャによる) 
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移植性が高い.多くのUnix-like/POSIX互換プラットフォーム上で動くだけでなく,Windows, macOS,Haikuなどの上でも動く cf. github.com/ruby/ruby/blob/master/doc/contributing.rdoc#platform-maintainers 
入手法¶ ↑
サードパーティーツールを使った方法を含むRubyのインストール方法の一覧は
www.ruby-lang.org/ja/downloads/
を参照してください.
Git¶ ↑
ミラーをGitHubに公開しています. 以下のコマンドでリポジトリを取得できます.
$ git clone https://github.com/ruby/ruby.git
他のブランチの一覧は次のコマンドで見られます.
$ git ls-remote https://github.com/ruby/ruby.git
Rubyリポジトリの本来のmasterは git.ruby-lang.org/ruby.git にあります.コミッタはこちらを使います.
Subversion¶ ↑
古いRubyのバージョンのソースコードは次のコマンドでも取得できます.
$ svn co https://svn.ruby-lang.org/repos/ruby/branches/ruby_2_6/ ruby
他のブランチの一覧は次のコマンドで見られます.
$ svn ls https://svn.ruby-lang.org/repos/ruby/branches/
ホームページ¶ ↑
RubyのホームページのURLは
です.
メーリングリスト¶ ↑
Rubyのメーリングリストがあります.参加希望の方は ruby-list-request@ruby-lang.org まで本文に
subscribe
と書いて送って下さい.
Ruby開発者向けメーリングリストもあります.こちらではrubyのバグ,将来の仕様拡張など実装上の問題について議論されています.参加希望の方は ruby-dev-request@ruby-lang.org までruby-listと同様の方法でメールしてください.
Ruby拡張モジュールについて話し合うruby-extメーリングリストと数学関係の話題について話し合うruby-mathメーリングリストと英語でrubyについて話し合うruby-talkメーリングリストもあります.参加方法はどれも同じです.
コンパイル・インストール¶ ↑
以下の手順で行ってください.
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(Gitリポジトリから取得したソースをビルドする場合) ./autogen.shを実行して新しくconfigureを生成する
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configureを実行してMakefileなどを生成する環境によってはデフォルトのCコンパイラ用オプションが付きます. configureオプションでoptflags=..warnflags=..等で上書きできます.
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(必要ならば) include/ruby/defines.hを編集する多分,必要無いと思います. 
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(必要ならば) ext/Setupに静的にリンクする拡張モジュールを指定するext/Setupに記述したモジュールは静的にリンクされます.ダイナミックローディングをサポートしていないアーキテクチャでは Setupの1行目の「option nodynamic」という行のコメントを外す必要があります.また,このアーキテクチャで拡張モジュールを利用するためには,あらかじめ静的にリンクをしておく必要があります.
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makeを実行してコンパイルする
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make checkでテストを行う.「 check succeeded」と表示されれば成功です.ただしテストに成功しても完璧だと保証されている訳ではありません.
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make install以下のディレクトリを作って,そこにファイルをインストー ルします. - 
${DESTDIR}${prefix}/bin
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${DESTDIR}${prefix}/include/ruby-${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}
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${DESTDIR}${prefix}/include/ruby-${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}/${PLATFORM}
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${DESTDIR}${prefix}/lib
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}/${PLATFORM}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/site_ruby
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/site_ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/site_ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}/${PLATFORM}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/vendor_ruby
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/vendor_ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/vendor_ruby/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}/${PLATFORM}
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${DESTDIR}${prefix}/lib/ruby/gems/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}
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${DESTDIR}${prefix}/share/man/man1
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${DESTDIR}${prefix}/share/ri/${MAJOR}.${MINOR}.${TEENY}/system
 RubyのAPIバージョンが‘x.y.z’であれば, ${MAJOR}は‘x’で,${MINOR}は‘y’,${TEENY}は‘z’です.注意: APIバージョンの teenyは,Rubyプログラムのバージョンとは異なることがあります.rootで作業する必要があるかもしれません.
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もし,コンパイル時にエラーが発生した場合にはエラーのログとマシン,OSの種類を含むできるだけ詳しいレポートを作者に送って下さると他の方のためにもなります.
移植¶ ↑
UNIXであれば configure がほとんどの差異を吸収してくれるはずですが,思わぬ見落としがあった場合(ある事が多い),作者にそのことを報告すれば,解決できる可能性があります.
アーキテクチャにもっとも依存するのはGC部です.RubyのGCは対象のアーキテクチャがsetjmp()またはgetcontext()によって全てのレジスタを jmp_buf や ucontext_tに格納することと, jmp_buf や ucontext_t とスタックが32bitアラインメントされていることを仮定しています.特に前者が成立しない場合の対応は非常に困難でしょう. 後者の解決は比較的簡単で, gc.c でスタックをマークしている部分にアラインメントのバイト数だけずらしてマークするコードを追加するだけで済みます.defined(mc68000)で括られている部分を参考にしてください.
レジスタウィンドウを持つCPUでは,レジスタウィンドウをスタックにフラッシュするアセンブラコードを追加する必要があるかもしれません.
配布条件¶ ↑
COPYING.ja ファイルを参照してください.
フィードバック¶ ↑
Rubyに関する質問は Ruby-Talk(英語)や Ruby-List(日本語)や,stackoverflow などのWebサイトに投稿してください.
バグ報告は bugs.ruby-lang.org で受け付けています.
著者¶ ↑
Rubyのオリジナル版は,1995年にまつもとゆきひろ氏によって設計・開発されました.